2012-05

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Serph「Heartstrings」

最近割とプッシュされてるので、もう知ってる人は知ってると思いますが、ドリームポップの新星、Serph(サーフらしいですね、最初セルフと読んでました)。

かのnobleレーベル(MIDIレーベル系列)から出てる浮遊系電子音楽なわけですが、掛け値なしで傑作。
曲によってかなりカラーは違いますが、こんなに音が活き活きとしてる感じは久しぶり。

弦ユニゾンやら8bitやらもまぜこぜにして、違う世界のお伽話でも聞いているかの様な気分にある「luck」、トリップしながら突っ走っているかのような「forn」など、音も物語性も面白い曲が詰め込まれてます。



HeartstringsHeartstrings
(2011/04/15)
Serph

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辺境の近現代クラシックを聞け その2

さて前回ラトビアのクラシックを出し、その1とか名打ったもんだから、つづけざるをえないこのシリーズ。

細かい説明は、前回の辺境の近現代クラシック その1に譲りますが、とりあえず西欧オンリー気味のクラシック音楽覇権に反抗しようぜということで、あえてメインストリームを外したチョイスでお届けいたします。

さあ今回はどこにしよう、と思って選んだのが、あの四角い国。

そう、正解、エジプトです。

選んだというか、そういやエジプト出身の人いたな、と思い出したので採用。



エジプト生まれのヴィットーリオ・リエティ(Vittorio Rieti, 1898-1994)。鋭い人は名前見て気づくかもしれませんが、イタリア系移民の子孫。つーてもリエティは20歳前後でイタリアにうつり、そのあとアメリカに行って帰化しちゃってるので、生粋のエジプシャンではないです。まあでも出身がエジプトというだけでもほとんどいないので、レアといえばレア。

素性はよく知りませんが(なにせ参考文献がイタリア語のしかない)、ヴィヴァルディあたりのイタリア古典派の流れを汲みつつ、ダダや無調あたりにも感化されたような折衷的な作風。イタリアでレスピーギやマリピエロ、カゼッラあたりに指導を受けただけのことはあります。

このパルティータでも、古風なチェンバロの旋律に軽妙な弦と管のメロディが混ざり、ややイレギュラーな旋律の進行も相俟って、モダンかつ伝統的な雰囲気をかもしています。このバランス感覚はやはりエジプト、イタリア、アメリカの三国を経験しているからか(こじつけ)。

ちなみにこのパルティータは1945年作なので、アメリカに帰化後の作品になるわけですが、それ以前のイタリア時代にはなかなか先鋭的だったようです。



これはバウハウスやダダ関連の作曲家の作品を集めたCDから。つまりリエティもそこに入るわけですね。この作は1920年。マリピエロもそうですが、イタリア近現代作曲家のピアノ曲はなんか渋い。色彩感をわざと削いでるかのよう。この作品もご多分にもれずモノクロームな音ですが、こういう無機的な響きもおれは好きです。



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辺境の近現代クラシックを聞け その1(多分続ける)

クラシック音楽はいまだに中高年をターゲットにしてるのか、相変わらずBの人(ベートーヴェン、ブラームスとか)やMの人(モーツァルト、メンデルスゾーンとか)の交響曲第何番を誰々の演奏で、が多くて、その流れには個人的にはちょっとついていけません。


でもクラシック音楽はもちろんそれだけじゃないです。おれが敬愛する近現代クラシック(1900年前後以降の作品)は、重厚でお堅い高級な感じじゃないのが沢山あります。それこそ死ぬまで聴き切れないほどある。最近はNML(有料クラシック配信サイト)やYouTubeなどで手軽にそういう音楽に触れられるので、非常にありがたい。


だいたいクラシック音楽といえばドイツとかオーストリア、たまにフランスやロシアとかの作曲家が多くて、なかなかそれ以外の国のクラシックは見向きもされなかったりする。

イギリスはクラシックでいくと音楽後進国なので、エルガーとかがぎりぎり。ただ近現代イギリスは宝の山なのでおれみたいなマニアが居ます。北欧もだいたい同じ。

アメリカもガーシュインとか、どっちかといえばコミカルで劇伴みたいなのが多い。まあ現代にはそこそこいろいろ居ますね。

日本もクラシック音楽で行けばわりあい後進国に入りますが、オリエンタルでエキゾチックな作品とかが転がってるのでいいですね。


さてそんなことで、今回はあまり知らない国のクラシック音楽を当たろうぜという企画。

というわけで今回はこちら。

ゲオルクス・ペレーツィス(Georgs Pelēcis)「新年の音楽」。

ラトビア人です。地図を出されて、ラトビアがどこにあるか指させと言われたら迷います。バルト三国の小国で、そもそもソ連崩壊まで占領されてたくらいの国だから、そりゃラトビアのクラシックといわれてもないですよね。

ペレーツィスは1947年生まれ。そのくらいの年に生まれた現代音楽家は、高い確率で難解な現代音楽作品を書いてますが、ラトビアにいてそういう現代音楽のムーブメントに乗らなかったのか、わりと垢抜けたわかりやすい曲を書いてます。曲によってはイージーリスニングみたいなのとかあるけど、やっぱりどっかただ聞きよいだけでない感じがあります。

この曲はのっけからピアノの課題曲みたいな単純なメロディーだけど、変拍子を混ぜるわ徐々に悲しいトーンに変わっていくわ、小気味良いリズムを乗せてくるわ(4分くらいから)で、一定した曲のイメージを持たせてくれません。最初30秒で聞くのをやめると損するタイプの曲ですね。

メロディライン自体は平易なはずなのに、なぜか聞かせてくる。ラトビアも捨てたもんじゃないですね。

ちなみにこの動画は7分ほどで終わってますが、実際の曲は約14分あります。全曲は、下の「旧ソ連邦のポスト・アヴァンギャルドピアノ音楽作品集」という物騒な名前のCDに収録されてます。



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微小昆虫の世界とその撮影風景

微小昆虫といってもハエとハチがメインですが、面白そうな分類群があればいろいろ手を出してみたいですね。

面白いの基準は、1.分類学的な研究が進んでない、2.フォルムが格好いい、3.生態が独特でかっこいい、など。

というわけで、
チョウはみんなが対象にしすぎてて却って面白くない。
甲虫はゴキブリに似てるからやや苦手(ゾウムシなどはOK)。同じ理由でカメムシ系も微妙。
バッタやアリはだいたい分類が終わってる。

となると残るのは、ハエ、カ、アブを擁する大分類群でありながら、分類学的な研究が大変遅れている双翅目と、これまた無数の種を擁し、研究途上にある寄生バチを大量に含む膜翅目(ハチ)がやはり有力。ここらへんは生態的にも非常に興味深いのでパーフェクトです。強いて言えば膜翅目の方が若手研究者が多く、将来がまだ安心なので、じゃあおれは双翅目いったろうやないかという所存ですね。


でまあ双翅目は、大きいものでは1cm以上ありますが、小さいものは1mm以下からと、相当小さい。こんなん標本を作るのも一苦労、見るのも一苦労。まして種を決定するなんてもう…。

まあこれまでにいろんな人が標本作製法とか撮影法についてノウハウを蓄積してるものの、やはり人それぞれ手に入れられる機材もさまざまやし、誰もがプロクラスのことができるわけねえ。マレーズトラップ(設置型トラップ。ハチやハエがごっそり入る)で採った虫を真空凍結乾燥機で乾かして標本に、なんて、教員でもない限りふつうは無理。その撮影も数百万の顕微鏡や数千万の電子顕微鏡で観察、撮影できる人なんて、ほんのひとにぎり。多くいるアマチュアには無理ってもんです。

というわけでアマチュアはアマチュアなりに自分らで工夫したりなんやでがんばってます。それがまた面白いんですよ。

ちゅーわけでおれも、そんなにいい機材はありませんが、色々と試行錯誤の毎日です。


ちなみにいまの撮影環境はこんなもん。(続きですが虫注意)

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このまま青空文庫は衰退するのか

今年(2011年)に、青空文庫に収録された作品数が1万点を突破したそうです。3月の話なんで、その後も地道に増え続け、2011年12月現在では10800を超え、11000作に迫ろうというところ。安定的なペースで増加しているように見えますね。


でも見ている限り、青空文庫の未来はそんなに安泰なものではないと思う。


いろいろあるけど、そもそも作業体制がなかなか安定しているとは言いがたい。結構限られたボランティアによって入力、校正が行われてるし、中核にいる数人が最終的なアップから運営までを責任持ってやってるから、何かあったらすぐに滞る危険性をはらんでいる。だいたい、10000作といっても数ページの掌編も1本にしてるし、書籍に直したら数百冊分くらいなのかもしれない(ちょっと検証できてない)。わりと綱渡りで毎日の更新をこなしてる印象。


そしてそれよりも問題なのが、その作業体制を変えたり、作業効率を上げたり、問題点を修正する仕組みがほとんどないこと。なにせ前述のとおり中核の数人の意向が全体の運営を左右するところが大きいので、データベースプログラムの改良なり仕様の更新(テキストのUnicode化も進まないな)についても、実際の改良作業もその提案もろくに出来る状態ではない。青空文庫はできてからもう10年ほど経っているが、見た目も中身も10年前の古風なままで、実に旧態依然としている。中核の人もほとんど入れ替わってないと思う。


青空でずっともめてることとして、「ケ」「ヶ」の問題がある。つまりは入力元の書籍(底本)で「関ケ原」とか書かれてる時に、青空では「関ヶ原」と入力して、そのテキストの最後に「大振りのケをヶとして入力しました」っていう注記を入れるというルールが定められてる。でもそれはおかしいやろうと、一部の人が声を上げて議論をつづけている。まあ青空の掲示板とか見ればわかるけど、もはや議論なんてものではなく、ただ一方的に悪口をまくし立ててるだけのような様相になって、運営側は鎮圧も反論もほとんどせずに、かといってルールを変えるわけでもなく、沈黙している。このあたりの構図は「ここはうちの領土だ」「領土問題など存在しない」と言っている某国みたいな様相を呈してるわけで、実に不毛だ。もう何年やってることやら。

おれは一部の入力作業とか、関連サイト制作とかはしてたけど、基本ほぼ見てるだけやし、どっちが言語学的に正しいとかJISの仕様ではどうだとか興味ないです。ただしファイルの仕様としては、現行方針「ヶに直す」なら、仮にそのあと「ケとする」となっても一気に修正できるけど、逆には修正できないので、現行方針のほうが理にかなってるとおもう。

でも一部で方針変えろという圧力をずっと強めてる人がいる(名前を上げるのは控えるけど、掲示板みるとすぐわかりますね)。それもかなり過激な口調で。正直やり方が幼稚で、もはやまともに相手されていない感もある。でもそんな方法でしか異議申立てができないってのも不健全やし、納得させることも排除することもできてない運営体制もどうなのか。Wikipediaなら管理者権限を持っていようと、意思決定の権限を独占的に握っているわけでもないし、気になる所があれば公開議論のもとで決定できるし、あまりにもコミュニティを疲弊させるような動きはブロックによって排除も出来る。そういう民主的なやり方は青空文庫ではできないし、過激派の意見を借りれば「工作員(入力校正をする人)は、富田倫生氏(呼びかけ人)が決めたことに、問答無用で服従することを誓え」という状態。この言い方は中傷じみてるし、Wikipediaならこの人は即刻ブロックされてるやろうけど、青空文庫では野放し。「カラマーゾフの兄弟」の中、下巻がなかなか公開されないのは、この人がルールの改訂と引き換えにファイルを握っているからだったようで、ここまでくると非常にたちが悪いし、コミュニティ的な欠陥があるとも思える。オープンな活動がメインストリームになっている中、こんな不透明なコミュニティで共同作業をするってのが無理があるんでしょう。そしてこのざまを見て作業員に志願する人が遠ざかるのでしょう。実際おれも愛想がつきかけてて、もう作業はしてません。


まあほっといても、スマホ用ビューワーとか青空ミセラス君(青空のファイルをPDFとか携帯用とか各種フォーマットで提供)とか、周辺から便利なものがいろいろ出てるから問題ないとも言えるけど、Googleブックスやら近代デジタルライブラリーやらが大量公開を進めてる今、この牛歩のような更新頻度でいたら、そのうちどっかに駆逐されそう。駆逐するような存在がないし、今から追いつくような仕組みを作るのが面倒やから、今のところは繁栄してるんやねきっと。Wikiもろくに普及してない頃から活動し、ここまで持続してきたのはすごいと思いますが、このままの作業体制をつづけていると、公開を待つあまたの著作権切れの本は、より長く死蔵されたままになることでしょう。

小説以外のジャンルの著作権切れ書籍はやまほどありますが、ほとんどは青空文庫では手付かず。もうおれは青空文庫には期待していません。そのうち昔公開されたテキストをアーカイブしてるだけの場所に成り下がってる気がする。


インターネット図書館 青空文庫インターネット図書館 青空文庫
(2005/11)
野口 英司

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KETIPA is a Japanese author. I'm interested in music, art, culture, biology, web services, and so on.

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