次の音は、思わぬところに埋まっている。

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生物学はどこへ行く 

皆殺しの天使

自身の経験や周りの状況から、分子生物学の現状をみにつまされ、現在の生物学に徹底的に失望し、今の高校生が生物学を志さないようネガキャン(ネガティブキャンペーン)を本格的にはじめた、t-twofaceさんのブログ。
といっても生物学が嫌いなわけじゃなくて、むしろ本気で生物現象を解き明かしたいという思いで、今は物理的手法による理論生物学的アプローチを行っている。生物学に対する姿勢は、むしろ誰よりも真剣といってもいいかもしれない。

で、俺は、別にこれに便乗して「そうだそうだ、分子生物学はもうダメになってる」なんてことを言いたいわけじゃない。このブログにしたって、確かにその通りという部分と、考え方が違うなと感じる部分と、あるわけですから。むしろこういう状況が変化していって欲しい、生物が学問としてより進歩したものになって欲しい、という思いが、俺にはある。
でも今の状況では、その見通しは暗いかもしれない、ということを、このブログを読んでてひしひし感じます。書かれてる生物学批判はかなり正当なもので、単なる悪口というわけではない。だから結構辛い。


具体的に今生物学(特に分子生物学)の研究現場がどういう状況か、知ってる人は知ってるだろうし、知らない人もこのブログを読めば(長いけど)、何となくわかってくると思う。ピペドとかで検索するだけでも、まあいろいろでてくるしね。

単純に言えば、DNAだ蛋白質だ機能解明だ、っつっても、そんなに高尚なことをやってるわけじゃなく、既存の技術に乗っかって、キットを使って各DNA、蛋白質、その他をしらみつぶしにあたっているだけの、作業。大学の研究室とかで、長時間ひたすら作業。全部が全部そうとはいわないにしても、悲しいことに日本の分子生物学の現状は、こんなもんです。全くもってアカデミックでない。アメリカの失業者にでも出来る作業の繰り返し。これはたとえでもなんでもなくて、アメリカでは本当に失業者対策に分子生物学の実験作業をやらせてるとかなんとか。日本では給与どころか、学費払って同じことやってます。

その技術にしても、物理屋や工学者が開発したもの。生物学者はそのツールを用いて、博物学的に各生体物質の網羅的探索をやっている状況。物理学も統計学も有機化学もろくに学ばずに、理論的仮説も立てずに、ただ行き当たりばったりということ。そういう各分野の視点が欠けてるから、今の解析手法にしたって、他分野から見たらすぐに論破される可能性だって高い。RNAiとかノックアウトとかにしても、相当複雑な系からなっている生体物質間の相互作用すら、ろくに計算に入れてない。そら他の学問から馬鹿にされるわな。


まあ俺自身は博物学が嫌いではないので(というかむしろ好き)、そういう作業が無駄なものとは言いません。ただ、それだけというのはさすがに息苦しい。ああでも、仮に手法が否定されたら、その作業は全部無駄になってしまうんか。そうなると悲慘やな。

非線形的な系をもつ生物のことだから、普遍的な理論を構築するのが半端なく大変なのは、ちょっと考えてもわかる。だけど、だからといって、つきつめることを放棄しては何も生まれない。その辺で現在の生物学は、まだまだ発展途上だと感じます。単に発展途上なだけならともかく、いつまでも進む気配もない。そこが問題だということでしょう。

そのうちt-twofaceさんのような人によって、エポックメイキング的な理論が分子生物学にもたらされたとすると、それは確かに生物学の前進ではある。でもその前進が起こるとすれば、おそらくそれは別分野の考え方を取り入れた理論物理学者とかの功績になりかねない。少なくとも、今の生物学知識だけを勉強している分子生物学者からは、そんな動きは起きないと思う。セル(細胞生物学の教典)読んでるだけではダメって事です。

ポアンカレ予想を、従来の数学者には予想もつかなかった方法で解いたペレルマンのことが思い出されます。長らく未解決だったポアンカレ予想を解かれたときの数学者の反応は

「まず、ポアンカレ予想を解かれた事に落胆し、それがトポロジーではなく微分幾何学を使って解かれた事に落胆し、そして、その解の解説が全く理解できない事に落胆した」(参照:Wikipedia


という感じだったそうですけど、これが生物学なら

「まず、DNAや蛋白質機能における普遍的定理を示された事に落胆し、それが分子生物学的手法ではなく理論物理学を使って解かれた事に落胆し、そして、その解説が全く理解できない事に落胆した」


とでもなるんじゃなかろうか。DNAや蛋白質の機能を、塩基配列とかから推測できて、細胞内外での挙動を相互作用も含め理論的に示されたら、今までやってきた作業はその理論を裏打ちする大量のデータ以上のものにはならないからね。そんなの一体何年先になるやらだけど。まあバイオインフォマティクスとかも進みつつあるし、無理ではないでしょ。


もちろん、それが理論物理や数理方面から示されるとは限らない。そういう分野で攻め込めば必ず示せるという考えは、それこそ「遺伝子で全てがわかる」というかつての勘違い同様、盲目的だと思います。理論理論言って、生物の博物学的側面を無視するというのは違うと思うしね。まあそれは、t-twofaceさんもわかってるみたいです。


ちなみに俺は、生態学的な方面から生物に関わっているわけですが、理論的仮説とかが大してないという点ではミクロと大差なし。ミクロ分野より博物学的要素が強い、という面もあります。あと物語要素が強くなりがちで、科学というには若干未熟という気もします。でも分子生物学ほどどうにもならない分野だとは、今のところ思っていない。


とにかくまだ、生物学は科学になりきってない。最初から博物学を志して生物系にくるなら問題ないと思うけど、より生物学を科学的に進歩させたいなら、今の生物学ではダメです。



あと、あえて今回は、生物学が社会的に役に立たないということには触れてないけど、t-twofaceさんはそこも強く訴えてます。分子生物学的解析は、医学や薬学でやったほうがよほどいいということで。あの作業だけ覚えても就職には何の役にも立たないよ、と。ポスドクの現状とか。
今回は学問としての生物学に焦点を当てたかったから、そっちをもっと知りたい人は、t-twofaceさんのブログを読んだほうがいいです。

ああ、この人が訴えられるリスク上げちゃったかな(本人はそれを怖れてる。でもどこが訴えられるんだ?)…まあいいか、たいした影響ないでしょ、こんな零細ブログ。


追記2009.8.25:
予定通り(いや1日早く)消滅してしまったようです。結局あとかたも残らず、飛び立ってしまった。
意義はあったと思う。

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コメント

このブログの人、過去の環境を否定することでしか、現在の自分を肯定できないなんて可哀相な人ですね・・・
今やるべきことに集中しないと、また後悔するんじゃないのかなぁ。
で、また、自分の失敗を周りのせいにするという繰り返し。
子供じゃないんだから。

これはひどい・・・ #- | URL
2009/08/23 14:52 | edit

これはひどい?

一体どこをどう読んでそう思ったのかわからないんですが、私にはこの人が、否定によって自己肯定をするためだけに批判をしているようには見えません。私も生物学の実情に多少は触れていますが、この批判も筋違いなものとは思いません。

もうこのブログで言いたいことは言い尽くしたようで、8月26日には閉鎖するらしいですね、このブログ。今はより困難な、より打ち込める道を選んでやっているみたいなので、それ以降もグダグダ言ってるようなら、これは酷いとでも何とでも言ってください。

KETIPA #- | URL
2009/08/23 20:07 | edit

t-twofaceさんの実名と研究室が割り出されてしまったために
急遽閉鎖せざるを得なかったようです。
彼がどんな仕事で生物学を見返すか、見守りたいですね。

真相 #- | URL
2009/08/27 05:27 | edit

Re: タイトルなし

そうだったんですか。情報ありがとうございます。

個人情報が割れてもおかしくない状態でしたからね。実際、検索したらそれらしい人に突き当たりましたし。

あれだけ言って閉鎖した以上、今後の活躍をぜひとも期待したいです。

KETIPA #- | URL
2009/08/27 20:34 | edit

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